サイディングボードはセメント製の製品で、デザイン性に優れ、軽量で、金具で固定していることもあり剝がれにくい性質をもちます。しかしながら、厚みは20㎜以下と薄いため衝撃に弱く、大量生産品であるので、それ自体を保護するための塗装もデザイン性によりがちで薄いので、劣化しやすい可能性もあります。
サイディングボードの場合、ポイントは4点となります。
4点ともに重要ではありますが、最後の1点に関しては大変切迫した状態と言えます。
- チョーキング現象
- 壁の塗料膜が少しずつ剝がれてきている
- 壁にコケやカビの発生が見られる
- シールが劣化し、ひび割れや剝がれが見られる
1.チョーキング現象は全ての塗装を施してある壁に見られる現象です。
この現象は塗料が風雨や紫外線、熱等により劣化し表面から粉状になった状態で、塗膜が徐々に削れて薄くなってしまっています。
この症状が進行すると撥水効果を中心としたコーティング性能が低下し、壁自体を侵食する恐れがあります。

2.ここでいう塗膜の剝離は何かが当たり剝がれるなどの外的要因ではなく、内側からの要因により剝がれた剝離を指しております。
大半は熱等により膨張と収縮を繰り返して亀裂が入り、そこから剝離が起こります。最悪の場合は既に内部に水が回り、それが原因となり剝離が起こっている可能性も否めません。

3.コケやカビの発生が見られる場所は普段から湿気の溜まりやすさも原因かもしれませんが、チョーキング現象により撥水効果がなくなり水分の溜まりやすい環境となっている場合もあります。この状態では劣化の速度を早めてしまう可能性があります。

4.サイディングボードの場合、全ての継ぎ目や隙間を固まるとゴム状になるシールで塞ぎ、水の侵入を防いだり、地震等による揺れからゴムの性質を活かしボードの破損を防ぐ役割を果たしています。
しかしながら、塗料でコーティングする等の保護をしていないシールは劣化が早く、進行すると硬化や収縮が始まります。それが原因となりひび割れや剝離が起こってしまい、この部分から簡単に水が侵入し、サイディングボード自体を腐蝕させてしまうほか、雨漏りや下地木材の腐蝕等をも引き起こしてしまいます。
こうなると最悪の場合、サイディングボードの張り替えだけではなく下地木材も張り替えることになり、大規模な改修工事が必要となるので、多大な工事費用がかかってしまいます。

サイディングボードは、それ自体では強い強度はなかなか望めません。
そして保護効果のほぼ全てを塗料に頼っていると言えます。そのため可能な限りお早めのご検討をおすすめいたします。