外壁塗装を依頼する際、料金の安さや宣伝の印象だけで業者を決めてしまうのは危険です。信頼できる業者を見極めるためには、提示された見積書の内容を丁寧に確認することが大切です。項目が細かく分かれているか、作業内容や塗料の種類が明記されているか、数量や単価に不透明な点はないかを見れば、その業者の誠実さや専門性が見えてきます。見積書は単なる金額の一覧ではなく、施工の質や安心度を判断するための重要なチェックポイントなのです。
この記事では、見積書に書かれている内容を手がかりに、外壁塗装業者を見分ける方法と、対処法、失敗しない業者選びのポイントをお伝えします。
目次
外壁塗装にかかる費用の内訳

外壁塗装にかかる費用の内訳は大きく分けて以下の通りになります。
・人件費
外壁塗装では「1人工( にんく )」という単位で計算されることが多いです。
1人工 = 職人1人が1日( 約7~8時間 )働いた場合の費用。相場は ¥15.000 ~ ¥20.000 / 日 程度。
熟練した職人ほど単価は高めになりますが、その分仕上りや耐久性に差が出ます。
・塗料代
外壁塗装に使用される塗料には様々なグレードや効果、特長を持つものが多くあり、グレードや特長によりその金額は大きく変わります。
・代表的なグレード:シリコン、無機
・代表的な効果:防水性、親水性、耐候性
・代表的な特長:遮熱
・仮設足場設置費
安全に作業を行うために必要な足場の組合、解体費用。主な内訳として、人件費や足場資材のリース料、技術料が含まれる。
・作業に準ずる諸経費
外壁塗装を行うにあたり必要な下地処理費、資材費、産業廃棄物処理費などを含んだ経費。
・主な下地処理費の内訳:人件費、モルタル材、シール
・主な資材:刷毛、ローラー、ビニール養生
・主な産業廃棄物:塗料の付着したビニール養生、下地処理で出るコンクリートがら
・作業以外の諸経費
外壁塗装の工事費用に上乗せされる利益を含む経費。事務や営業の人件費、交通費、管理費などの工事にかかわる経費と宣伝広告費や店舗維持費といった業者が負担する経費と利益。
この5点が外壁塗装費用の内容となります。
ここからは項目ごとに詳しく説明していきたいと思います。注意点も記載していますので参考にしてください。
人件費について

外壁塗装の人件費は、職人の技術力と作業にかかる日数によって大きく変わります。
・職人の技量による違い
経験豊富な職人ほど、塗りムラを防ぎ、美しい仕上がりと長持ちする塗装を実現できます。技術力が不足している場合、見た目の不自然さや早期劣化につながるリスクがあります。
多少単価が高くても、長期的に見れば経験ある職人に任せることが安心できる選択といえます。
・作業日数による違い
一般的な30坪程度の住宅であれば、外壁塗装は 10日~2週間ほど かかるのが目安です。建物の大きさや劣化状況、既存塗料の性質、下地補修の必要性によってはさらに日数が延びることもあります。作業日数が増えれば、その分人件費も高くなります。
・人件費のイメージ
職人1人あたりの人工(にんく)=1日分の作業費は 15,000円~20,000円程度 が相場とされます。例えば2人の職人が10日間作業すれば、
2万円 × 2人工 × 10日間= 約40万円 が人件費の目安になります。

業者に確認するべき注意点
見積もりをとった時点で以下の項目は必ず確認しましょう。
・工事期間
工事にかかる日数。できるだけ曖昧な回答ではなく正確な日数を確認しましょう。○○かもしれないからという返答には、○○はないものとしてと釘をさすこと。事実、正確な日数を把握できていなければ、見積もりは作れません。
・常時入る予定人数
一人から三人のような幅のある回答は避け、できるだけ正確な人数を確認しましょう。
・人工単価
相場として、15,000円~20,000円程度 です。これより安くても、高くても、問題ありと判断すべきです。
大半の返答として、16,000円 ~ 18,000円 を提示すると予想されます。この場合、中堅から腕利きの職人が担当するのかと釘を刺しておきましょう。
*この項目を確認すれば、おのずと、工事に関する人件費が算出されます。
ここで、曖昧な返答が出てくる場合、工事に対し理解度の低い営業であると考えられます。マニュアルに沿って見積書を作成している可能性があります。
営業には嫌な顔をされるかもしれませんが、曖昧さは相手に噓をつく幅を与えてしまいます。こちらが前向きで、本気であるとアピールしておきましょう。強気に出ても問題ありません。エゴではなく当然の権利です。
塗料代について

塗料の値段は、主に 品質・性能・用途 によって大きく変わります。外壁塗装などで使う塗料を例に、それぞれの違いをまとめます。
・値段が安い塗料
特徴:アクリル塗料やウレタン塗料などが代表的で、初期費用は安い。
耐久年数:3~5年程度と短め。
メリット:とにかく費用を抑えたい場合に有効。
デメリット:塗り替えの頻度が増えるため、長期的に見るとコスト高になることもある。
・中価格帯の塗料
特徴:シリコン塗料やラジカル制御型塗料が中心。
耐久年数:7~12年程度。
メリット:価格と性能のバランスが良く、もっとも採用されやすい。
デメリット:最新の高性能塗料と比べると、耐久性・機能面で劣る。
・高価格帯の塗料
特徴:フッ素塗料や無機塗料など。
耐久年数:15~20年以上持つものもある。
メリット:塗り替え回数を大幅に減らせる。耐候性や防汚性に優れる。
デメリット:初期費用が高い。

業者に確認するべき注意点
見積もりをとった時点で以下の項目は必ず確認しましょう。
・使用する塗料の名称と金額
使用する塗料の名称は基本的に見積書に記載されているはずです。名称がわっかていれば金額は、スマートフォンやパソコンを使い調べることが可能ですが、多少ばらつきがあるので、確認は行ってください。その後に大きな違いがないかスマホなどで確認をとると良いでしょう。
・使用する塗料の数量
塗料の数量は塗る面積と下地の状態で決まります。塗料の内容量にもよりますが、1缶あたり 16㎏ ~ 20㎏ 入っており、凹凸が少なく、吸込みの少ないもので、80㎡ ~ 100㎡ 程度塗ることができます。
*使用する塗料の数量は塗り重ねる回数とともに、上塗りと下塗りの両方を必ず確認してください。
*疑問や不安が残る場合には、パートナーズペイント優塗 LINE公式アカウント より外壁の画像と質問内容を送ってくだされば、お答えします。
*こちらも参照してください。 日本ペイント公式ホームページ ニッペラボ ⤵
仮設足場設置費について

この費用にかんしては、概ね見積書に記載されているはずです。もし、記載がなければ、見積書の外壁総面積を確認して算出してください。
仮設足場を設置するための面積は外壁総面積の1.3倍 ~ 1.5倍になり、お住まいの形状や軒天井の幅により変動します。仮設足場の面積単価は、1㎡ / 約¥800‐( シート込み ) になります。
例 ) 外壁の総面積が180㎡、倍率が 1.3 の場合
総面積 180㎡ × 倍率 1.3 × 単価¥800 = ¥187.200 ( 税別 )
となります。参考にしてください。
作業に準ずる諸経費について

作業に準ずる諸経費とは、下地処理費用や作業中に使用する資材費、産業廃棄物処理費用などをさします。
・下地処理費用
下地処理費用はお住まいの外壁の状態に左右されますが、高くても、数万円 ~ 十数万円 になるかと思います。下地処理は外壁塗装を行ううえで、たいへん重要な工程となります。例えば、ひび割れを下地処理をせずに行うと、割れが埋まることはなくそのまま残ってしまいます。そうすると、いずれその部分から水が侵入し、雨漏りの原因となり、延いては骨組みとなる木材の腐食へとつながってしまいます。
*業者には必ず、外壁にある不具合の状態とそれぞれの補修方法、費用の確認をしっかりと行いましょう。この工程を少しでもないがしろにする業者は、選考から外すことも視野に入れるべきです。
・資材費
資材費にかんしては、行う作業や工程により変動はしますが、通常であれば 2 ~ 3万円程度となります。
*どのような作業をどういった工程で行うのかも把握することができるため、聞くことにメリットは十分にあります。しっかりと確認を行うことをオススメします。
・産業廃棄物処理費
産業廃棄物処理費は外壁塗装を行ううえで、必ず発生する費用の一つです。代表的なものに塗料が付着したビニール養生、補修時にでたガラ、使用したセメントの残りやコーキングなど、全て産業廃棄物となります。
*ビニール養生と多少の補修を行った場合でも 3 ~ 4万円程度かかるので、この部分もしっかりと確認を行いましょう。
作業以外の諸経費について

作業以外の諸経費とは、事務や営業の人件費や営業の移動にかかる交通費、店舗維持費、広告宣伝費、中間マージンを含む業者の利益などをひとくくりにした費用になります。
*これにかんしては、いくら問いただしてもしっかりとした回答を得ることは難しいでしょう。見積書の内容にも馬鹿正直に記載されてはいません。ですが、上記の項目をしっかりと確認することにより、大まかではあるかもしれませんが、金額が算出されるはずです。参考程度ですが、過大な宣伝広告や店舗を多くもつ業者、営業が多い業者、大手企業などはどうしても経費がかさむものです。この費用があなたにとって安心につながるのか、無駄な費用ととらえるかはわかりませんが、そのことについても一度は考えてみることをお勧めします。
まとめ

外壁塗装の見積書は、単なる金額の提示ではなく、その業者の信頼性や施工内容を見極める重要な手がかりになります。例えば、見積書に「人件費」「塗料代」「仮設足場代」「経費」「利益」といった内訳がしっかり明記されているかどうかは大切なポイントです。内訳が不明瞭で「一式」などの表現が多い場合は、実際の作業内容や材料の品質が不透明で、後から追加費用が発生したり、施工品質に不安が残る可能性があります。また、塗料名や耐用年数、施工回数が具体的に記されているかを確認することで、安すぎる見積もりに隠れたリスクや、逆に高すぎる見積もりによる無駄な出費を避けることができます。さらに、見積書の説明を丁寧に行い、質問にも誠実に答えてくれる業者は、施工に対しても責任感を持って取り組むケースが多いといえます。つまり、見積書を正しく読み解くことで、費用の妥当性だけでなく、業者の姿勢や信頼性を判断することができ、結果として安心できる外壁塗装につながります。
*外壁塗装についてより詳しい内容や事例、気になる点やご相談がありましたら、Partners Paint 優塗 LINE 公式アカウント か お問い合わせフォーム よりお気軽にお声がけください。